国際離婚における子どもの問題(ハーグ条約との関係)

Posted by / 2012年4月10日 / Categories: 離婚ガイド / 0 Comments

1. ハーグ条約とは

オランダのハーグで締結された多国間条約の略称で、その中でも「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」についてご説明致します。

2. 国際離婚によって

国際化によって、国際結婚も増加してきました。それに伴い国際離婚も増え、離婚に伴うトラブルも増加しています。

例えば、外国人男性と結婚した日本人女性が海外で子どもを産みました。しかし、その後不仲になり女性は離婚して、子どもを連れて日本に帰国しました。その場合、日本人女性の立場から言えば、ごく普通のことのように思われますが、外国人男性にとっては、連れ去りとして犯罪行為だと考えるのです。

ハーグ条約は、親権を持つ親から子どもを連れ去ったり、子どもを隠したりした場合に、常居所地へ返すことを義務としたり、面接交渉権の保護を目的として作られたものです。上の例、母親が離婚し子どもを故国に連れ去った場合に、連れ去られた国では不法行為となりますが、連れ去った国には連れ去られた国の国内法が及ばないので、いかんともしがたい状況でした。

そこでハーグ条約では、連れ去った者勝ちを許さず、一旦子どもを元の環境に戻したうえで、改めて親権や監護権について判断させるため、子どもを連れ去られた国に戻すべきとしたのです。(なお、子どもの年齢が16歳を過ぎるとハーグ条約は適用されません。)

3. 日本はハーグ条約に入っている?

長年、日本はハーグ条約の批准を求められています。しかし、外国人配偶者の暴力などに苦しんで、離婚して子どもを連れて日本に帰ってきた母親から、子どもを取り上げて、引き渡すことが果たしてよいのか?という問題や、強制執行における問題もあるため、未だ批准していない状況にあります。


  

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