日本における離婚の9割が協議離婚です。夫婦の間で私的に話し合われているため、財産分与の実体がどうなのかよくわかりません。
協議離婚する人が参考にするのは、家庭裁判所で扱った財産分与のケースしかないでしょう。
離婚を急ぐあまり、財産分与や慰謝料などしっかり取りきめずにとにかく別れたい一心で離婚届を出してしまうことも多いようです。
1. 財産分与とは
財産分与とは、婚姻中に夫婦で取得した財産を離婚に際して清算し、お互いの寄与度に応じて分配することです。結婚前から存在していた貯金や結婚前から所有していた車、親から相続した財産などはその対象にはなりません。
財産分与は、民法にも明記されており、堂々と請求できる夫婦がお互いに持つ権利であり、分配されるべきものです。
(民法768条)
協議上離婚した者の一方は相手方に対して財産の分与を請求できる。(民法771条)
民法768条の規定は裁判上の離婚にも準用する。
2. 財産分与請求権の期限
財産分与請求権は、離婚後2年以内に申し出がなければ請求権が失われてしまいます。
養育費さえもらえればと思い、財産分与の請求をしなかったところ、ちょうど2年過ぎたところで、養育費の支払いを止められたという事案もありました。注意が必要です。
3. 協議離婚に関して取り決めたことは文書に残しておくこと
協議離婚後、財産分与で「言った」「言わない」とトラブルがおきる場合が多いです。離婚協議書、合意書を作成して署名捺印をしましょう。ただしこの文書には、強制執行力はありません。相手が約束を守らない恐れがある場合は、公正証書を作成しましょう。近くの公証人役場で依頼すれば作ってもらえます。詳しい内容なども相談すればよいでしょう。
4. もらえる財産分与はしっかりもらう
協議離婚で夫婦だけの話し合いでは、もらう側も財産分与ことで離婚を長引かせたくないという気持ちが働きがちです。もらう側は、もらえるものは、しっかりもらわなければ。離婚後お金があるに越したことはありません。お金がないという言い訳もよく聞きますが、本当に相手に支払うお金が無いのかあやしい場合もあります。
財産分与の交渉は、できれば第三者である弁護士に相談して任せた方がよいかと思います。平間法律事務所ではあなたの味方です。離婚の際はおたずね下さい、力になります。