1. DVとは
ドメスティックバイオレンス(以後DV)とは家庭内暴力のことをいい、近年ではDVによる離婚も増えています。しかし、DVは比較的最近の概念で、以前はそれほど問題にされることがありませんでした。(以前は「家」制度で問題が顕在化しにくかったのです。)
ですから、DVは「不貞行為」のように離婚事由として民法に明文化されているものではなく、「婚姻を継続し難い重大な事由」として認められることで、離婚事由になり得ます。
しかし、DVが絶えず、離婚して解放されたいと思っても、離婚調停や裁判で相手方がそれを認めることはほとんどありません。したがって、その場合にはDVがあったことの証拠が必要となります。
なお、DVと言うと殴ったり蹴ったりなどの身体に対する直接的な暴力のみを連想されるかもしれませんが、いわゆる「言葉の暴力」も含まれます。
2. DVの証拠になるもの
DVが暴力の場合は、暴力により怪我した写真や医師の診断書などをとっておくことです。散乱した部屋の写真や、DVがあったことを知っていた友人に証人になってもらうのも手です。
また暴言の場合は、人格を否定されるような発言や怒鳴られることが頻繁であれば、それをテープに録音しておきます。脅迫文などがあれば、それも証拠になり得ます。ただ、写真やテープなどの証拠が取れればいいのですが、そうでないのであれば、詳細な日記を付けることも有力な証拠となります。
しかしDVは微妙な問題で、慎重に動かなければ後悔したり取り返しのつかないことになったりしかねません。DVで離婚を考えられている方は、早期に弁護士にご相談されることをお勧め致します。